ベッコウトンボは、トンボ科に分類されるトンボの一種。東アジアの植生の豊かな池沼に生息するが、生息環境の消失により絶滅の危機にある。
ベッコウトンボは、羽化(うか)直後の未成熟の個体の体色や翅斑(羽のまだら模様)がベッコウの色や模様に似ているところからこの名がある。
ベッコウトンボの特徴
腹長は雄で21~31mm、雌で24~28mm。後翅長は雄雌ほぼ同じで30~34mm。和名は未熟個体の体色と翅にある斑紋が鼈甲色であることに由来している。体色は成熟すると褐色から黒褐色の地色に黒色の斑紋を持つ。腹部は太い。ヨツボシトンボ L. quadrimaculata に似ているが、一回り小さく、翅端にある斑紋で容易に区別できる。
出現期は4月中旬より6月下旬で短い。幼虫はおもに平地や丘陵地の水草の多い池沼、水郷地帯のヨシやマコモが生育する水路、大きな河川の古い流域跡の滞水による池沼や水田間を流れる小川などに生息する。未熟個体の飛翔は緩やかであるが、成熟個体の飛び方は速い。本種は高く飛ばず、1~2mの高さを飛翔する。
体長約4センチ。4枚の羽に3個ずつ褐色斑がある。早ければ5月に孵化(ふか)してヤゴになり、翌春、羽化する。かつては東北地方以南の本州と四国、九州に広く分布していたが、池沼の減少と環境の悪化によりその数は激減している。繁殖にはヨシやガマなどの挺水植物が繁茂している池沼・湿地と周辺の豊かな植生が不可欠で、現在では静岡県、兵庫県、山口県と九州に少数が局所的に生息しているにすぎない。
ベッコウトンボのデータ
和名 | ベッコウトンボ |
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学名 | Libellula angelina |
目 | トンボ目 |
科名 | トンボ科 |
分布 | 日本、中国、朝鮮半島に生息 国内では静岡県、山口県及び九州(福岡県、熊本県、大分県、鹿児島県)に分布している |
山の池にいたベッコウトンボ
水辺のベッコウトンボ
羽を広げたベッコウトンボ
ベッコウトンボのアップ
ベッコウトンボ
静岡県磐田市の マンホール蓋にか書かれたベッコウトンボ
ベッコウトンボのアップ
トップ画像引用元: http://surugaki.exblog.jp/tags/%E3%83%99%E3%83%83%E3%82%B3%E3%82%A6%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%9C/